2012年10月24日水曜日

税関による輸入差止申立制度の問題2

【問題】
キャラクターグッズを販売するX社は、キャラクターAが登場するイラストを作成した。ところが、キャラクターAが刺繍されたタオルを輸入業者であるY社がX社に断りなく輸入して販売しようとしていることが判明した。

社内における相談の結果、X社は税関に対して輸入差止の申立をした。X社の法務担当者甲と乙とのア〜エの会話を比較して、最も適切と考えられるものはどれか。


甲「税関に対する輸入差止の申立の有効期間はあるのかな」
乙「有効期間は最長2年ですので、その後も輸入差止を希望する場合には更新手続が必要になります」


甲「税関から認定手続開始通知書を受け取ったけど、何かする必要はあるのかな」
乙「輸入業者であるY社が争う医師を示さない限り、タオルは自動的に廃棄処分されますので、もう何もする必要はありません」


甲「税関から証拠と意見を提出するように指示されたけど、Y社が輸入しようとするタオルを提出前に確認したいよね」
乙「税関に申し出れば、タオルの数量に関わらず画像情報を電子メールで送ってもらえます」


甲「写真だけでなくもう少し詳しくY社のタオルの確認や検査をしたいけど、できるかな」
乙「タオルはこちらの所有ではないので、これ以上詳しい確認や検査をすることは一切できません」

(22年11月実施)


【解説】
税関による輸入差止申立制度の問題の続きです。
税関ホームページに、詳しい解説が載っていますので、ぜひお読みください。
http://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/b_001.htm


有効期間は、最長2年で、申立人の希望する期間です。
ただし、申立てする権利の存続期間が、この2年間に達していない場合は、その権利の存続期間の最終日までとなります。
更新は、差止申立有効期間の最終日の3カ月前から手続を行うことができ、更新期間は同じく最長2年の希望日までです。

適切


通知書の日付の日の翌日から起算して10執務日以内に、権利者、輸入者双方が、当該疑義物品について意見・証拠を税関に提出します。
税関は、その内容に基づいて当該疑義物品が侵害に該当するか否かの認定を行います。
従って、何もしなければ、侵害に認定されないおそれがあり、その場合は事後の輸入も止められなくなるでしょう。

不適切


申し出により、疑義貨物の画像情報を電子メールにより送ってもらうことができます。
ただしそれは、証拠・意見を提出するために必要な場合であって、認定手続開始通知書に記載されている疑義貨物の数量が10個以下の場合に限られます。
また、税関が、業務遂行上、真にやむをえない理由により電子メールの送信ができない場合は除かれます。

不適切


権利者及び輸入者は、申請により、当該疑義物品を点検することができます。
また申立者は、申請により、承認条件を満たし、かつ、見本検査に係る供託を行った場合、見本検査(分解・分析)を実施することができます。
税関の立会に加え、輸入者が立ち会うことも可能です。

不適切

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