2012年11月1日木曜日

アメリカ著作権法の概略についての問題

【問題】
米国における著作権制度に関するア〜エの記述を比較して,最も適切と考えられるものはどれか。

ア 米国の著作権法においては,最初の発行から5年以内に著作権登録がなされていれば,弁護士費用の賠償請求権が与えられる。

イ 米国の著作権法においては,最初の発行から5年以内に著作権登録がなされた著作権の登録証には,その記載事項について法律上の推定が与えられる。

ウ 米国の著作権法による保護を受けるためには,当該著作物の創作を行った時点において新規性を有していることが要件とされる。

エ 日本人が日本国内で創作した著作物について,米国における著作権登録を受けるためには,米国にて最初に発行されなければならない。

(23年7月実施)


【解説】
アメリカ著作権法の概略についての問題です。
前問とかぶる部分が多いので、そちらの解説も参照してください。
重複部分は省略して、簡潔に書きます。


弁護士費用回復請求権が付与されるのは、発行後3カ月以内に登録が完了した場合です。

不適切


登録証記載事項に法律上の推定効が与えられるのは、発行後5年以内の登録についてです。

適切


アメリカ著作権法における保護の要件は、次の3つです。
・著作物性
・創作性
固定性(ここに注意! 日本にはない)

「新規性」はありません。

不適切


アメリカ著作権法における登録の要件に、このような規定はありません。
山本隆司弁護士のインフォテック法律事務所のサイトに、次の説明が記載されています。

(1) 適用範囲
 日本にも著作権登録の制度がありますが、登録できる事項・登録できる場合が限られています。 1.無名・変名著作物について著作者の実名を登録すること、2.著作物の第1発行年月日を登録すること、 3.プログラム著作物について創作年月日を登録すること、4.著作権の譲渡等を登録することができる(75条〜77条)に過ぎません。  これに対して、米国では、著作物を作成したこと自体を登録することができます。 したがって、すべての著作物について著作権登録を受けることができます。

不適切

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