2012年8月19日日曜日

知的財産権侵害行為に対する差止請求についての問題

【問題】
知的財産権に基づく差止請求について甲と乙とが会話をしている。ア〜エの会話を比較して,最も不適切と考えられるものはどれか。


甲 「知的財産に関する差止請求をするためには現実に侵害行為が行われていることが必要でしょうか。」
乙 「特許権については侵害行為が現実に行われていない場合であっても,侵害のおそれがあれば差止請求が認められますが,著作権については侵害のおそれのみでは差止請求は認められません。」


甲 「差止請求とともに所定の廃棄・除却等の請求を行う場合は,廃棄・除却の請求分についても訴額の算定の必要がありますか。」
乙 「実務においては,廃棄・除却等の請求は差止請求とは別個独立に請求することができないこともあり,訴額を別途算定する必要はないとされています。」


甲 「知的財産権の差止請求権に関しては仮処分の申立をすることができますよね。」
乙 「できます。仮処分は,判決まで侵害行為が継続するおそれがある場合に,民事保全法に基づき裁判所が命ずる暫定的措置です。」


甲 「差止の判決が確定したのに,被告が侵害行為を停止しない場合は,どのような措置をとることができますか。」
乙 「執行裁判所に対し,確定判決を債務名義として執行文の付与を申し立て,それに基づいて間接強制を申し立てることができます。」

(23年7月実施)


【解説】
知的財産権の侵害行為に対して行える、差止請求についての問題です。
基本的に、条文どおりの、シンプルな問題と言えます。


著作権法112条(差止請求権)
1項
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

不適切


著作権法112条(差止請求権)
2項
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。

適切


問題文のとおりです。

適切


問題文のとおりです。

適切

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